新しいテレビが我が家にやってきた。
前のテレビを買ったのは入籍して新居に入った時だから、正確には11年間使ったことになる。電化製品としてはよくもった方だ。
今回買ったのは同じメーカーの45型であるが、壊れた32型と比べて値段もかなり安くなった。消費者としては嬉しいものだ。
安価な理由は、中国のハイセンスや韓国のLGなどとの競争の賜物であるが、私はこの2つの国の製品は買わない。この国のメーカーとの仕事で、過去不信感を抱かざるを得ないことがあった。私の先輩も痛い目にもあっている。そして、何より日本が好きだから、少し高くても信頼性のある日本のメーカーを私は買うのである。
しかし今、中国、特に上海のデジタル産業の発展が目覚ましいという記事が彼方此方で出ている。仕事上それを無視することは出来ない。
特にいま現金を持たずにネット決済が主流というニュースがよく出ているが、それが実際どうなのか、彼らの日常を生で触れてきたいものだ。
一方、テレビなどで流れるコンテンツ産業という点では、日本の優位生は変わらないだろう。
私の子供達は新しいテレビが到着すると、そこでYouTubeばかり見ている。「好きなものを好きな時に見れる」ということを、幼稚園児はしっかり認識している。
もちろん子供達を夢中にさせているのは、日本のコンテンツだ。そして、その日本の生まれのコンテンツは、いま世界でも広く浸透している。これらの資産やコンテンツ制作能力がある限り、日本に優位性がある。
一方、YouTubeやAmazon TV、Netflixなどの外資の事業者の上陸が話題になり、日本ではAmeba TVだけが1人気を吐いているように見える。
この状況に「日本は大丈夫か?」と思う人も多いかもしれないが、総務省やNHK、民放もバカではない。確実に取り組みは始めているだろう。
今後は‘放送’からネットなどに移行し、日本の‘放送’のあり方は変わる。東京オリンピックの時に、ある程度その指針を出してくるのではないかと思っている。
テレビ放送のよさは、「不特定多数に情報を届けられること」「自分の趣向以外の情報に触れることで、新たな興味を喚起したり、視野を広げてくれるもの」。
全ての情報のポータルとして、一般生活者目線で人が語る総合メディアは社会的に必要不可欠だ。
ただ、今後の1番の課題となるのは、著作権や肖像権などの「権利関係」だろう。
故に、これから創るコンテンツについては、契約書の内容が今まで以上に重要視され、効率よく権利を守るための仕組みも構築されていくはずだ。
また、著作権は会社に帰属するか、個人に帰属するか、という問題も出て来ることになる。
優良なコンテンツを作れる人や会社は、今までにない利益を出せるようになるだろう。インターネットは世界のどこからでも見れるようになるからである。
その利益がハリウッドに負けない規模の映画制作などへの資金になり、ディズニーのようなグローバルな日本企業も現れる契機にもなるのではないかと思っている。
このような変革の時代を作っていくのは、我々の世代だ。私に出来ることなど、微々たるものでしかないが、そのような時代を歩めることを喜びたいものだ。